公正証書遺言の作成の流れを完全解説|当日の時間や保管場所まで
- 公正証書遺言は公証役場の公証人が作成し、証人2人以上の立会いが必要(民法969条)。
- 作成の流れは「相談・依頼→資料提出→文案作成と修正→日時確定→当日の手続」の5段階。
- 当日は遺言者が内容を口頭で述べ、公証人が読み聞かせて確認、遺言者と証人が署名押印する。
- 完成した原本は公証役場に保管され、遺言者には正本と謄本が渡される。
- 手数料は財産の価額に応じて決まり、全体が1億円以下なら基本額に11,000円が加算される。
公正証書遺言 作成 流れの結論

公正証書遺言の作成は、公証役場への相談から当日の署名押印まで、おおむね5つのステップで進みます。
私が実務でサポートする際も、いきなり公証役場に行くのではなく、まず財産と相続人を整理するところから始めます。ここが固まっていないと、文案作成で行ったり来たりになるからです。
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| 1. 相談・依頼 | 公証役場に遺言の趣旨を伝え、作成を依頼する |
| 2. 必要資料の提出 | 戸籍・印鑑証明・財産資料などを公証人に渡す |
| 3. 文案の作成と修正 | 公証人が案を作り、内容を確認しながら直す |
| 4. 日時の確定 | 作成当日の日程と証人2名を決める |
| 5. 当日の手続 | 証人立会いのもと口頭で述べ、確認・署名押印して完成 |
公正証書遺言の作り方とは
公正証書遺言とは、公証役場で公証人が遺言者の意思を聞き取り、法律に従って作成する遺言です。
自分で書く自筆証書遺言と違い、専門家である公証人が方式を整えてくれるため、形式不備で無効になる心配がほとんどありません。私が「迷ったらこちら」と勧める理由はここにあります。
民法969条では、遺言者が公証人に遺言の趣旨を口授(口頭で伝えること)し、証人2人以上が立ち会うことが求められています。最後は遺言者と証人が署名押印し、公証人が方式に従って作った旨を付記して署名押印します。
公正証書遺言を作成する流れ
作成の流れは、公証人連合会が案内する「相談・依頼→資料提出→文案の作成と修正→日時確定→当日の手続」が基本です。
自分で公証役場に出向いて直接進める方法と、行政書士や弁護士などの専門家にサポートを頼む方法があります。
直接進める場合は、自分で財産資料や戸籍を集め、公証人とのやり取りも自分で行います。費用を抑えられる反面、財産の評価や文案のチェックは自力です。
専門家に頼む場合は、資料収集・文案のたたき台作成・証人の手配まで任せられます。正直に言うと、財産が多い方や相続人の関係が複雑な方は、後の争いを避けるためにも専門家を入れたほうが安全だと考えています。
| 項目 | 直接作成 | 専門家に依頼 |
|---|---|---|
| 資料の収集 | 自分で行う | 代行を依頼できる |
| 文案の作成 | 公証人とやり取り | たたき台を作ってもらえる |
| 証人の手配 | 自分で2人探す | 手配を任せられる |
| 費用 | 公証人手数料のみ | 手数料+専門家報酬 |
公正証書遺言作成日にはどれくらいの時間がかかる?

当日の手続そのものは、事前準備が整っていれば30分前後で終わることが多いです。
当日は、証人2名の前で遺言者が内容を口頭で述べ、公証人が読み聞かせまたは閲覧で内容を確認します。問題がなければ遺言者と証人が署名押印して完成です。
時間がかかるのは当日ではなく、その前の文案のすり合わせです。ここで内容が固まっていれば、当日はあっという間に終わります。
別室で行われる公証人の口述中は親族でも立ち会えません
遺言の内容を確認するやり取りの場には、利害関係のある親族は立ち会えません。
これは遺言者の真意を守るためのルールです。財産をもらう側の人が同席していると、本当に本人の意思かどうかが疑われかねません。
実務でも、付き添いで来たご家族には待合室で待ってもらいます。署名押印に立ち会う証人も、相続人や受遺者など利害関係者は務められない点に注意してください。
公正証書遺言の正本と謄本の違いとは
原本は公証役場に保管され、遺言者には「正本」と「謄本」という写しが渡されます。
正本は原本と同じ効力を持つ写しで、相続手続きなどで実際に使う書類です。謄本は内容を証明する控えとして手元に置くものと考えると分かりやすいです。
| 種類 | 保管場所 | 主な役割 |
|---|---|---|
| 原本 | 公証役場 | 遺言者・証人・公証人が署名押印した正式な書面 |
| 正本 | 遺言者(手元) | 相続手続きで使える原本同等の写し |
| 謄本 | 遺言者(手元) | 内容を証明する控え |
公正証書遺言の原本にしか捺印はされない?

署名押印が行われるのは、公証役場に保管される原本です。
民法969条では、遺言者・証人が署名押印し、公証人が方式に従って作成した旨を付記して署名押印すると定められています。この押印がされるのは正式な書面である原本です。
正本や謄本は、その原本を写し、公証人が認証する形で発行されます。手元の正本に同じ押印がないからといって、心配する必要はありません。
完成した公正証書遺言はどこにしまうべきか
原本は公証役場が保管するため、手元の正本・謄本の保管場所だけ決めておけば十分です。
ここが公正証書遺言の大きな安心材料です。自筆証書遺言のように「どこにしまったか分からない」「紛失した」というトラブルが起きにくい。仮に手元の正本をなくしても、原本は公証役場に残っています。
私が必ず伝えるのは、正本のしまい場所を信頼できる家族か遺言執行者に伝えておくことです。せっかく作っても、亡くなった後に存在を知られなければ意味がありません。
公正証書遺言を作成するための全体的な期間は?
資料がそろっていれば、相談開始から完成まで数週間で進むことが多いです。
期間を左右するのは、戸籍や財産資料の収集と、文案のすり合わせにかかる時間です。相続人の数が多かったり、不動産が複数あったりすると、その分だけ確認の往復が増えます。
病気などで急ぐ場合、公証人が病院や自宅へ出張して作成することもできます。日本公証人連合会の案内でも、出張による作成に触れています。動けないからと諦める必要はありません。
公正証書遺言の作成なら当事務所へお任せください

手数料は、財産を承継させる対象ごとの価額に応じて、公証人手数料令で定められた基準額で算定します。
財産をもらう人ごとに価額を出し、その額に対応する基準額を合算するのが基本的な計算の流れです。
| 受益者ごとの価額 | 手数料の基準額 |
|---|---|
| 100万円以下 | 5,000円 |
| 200万円以下 | 7,000円 |
| 500万円以下 | 11,000円 |
| 1,000万円以下 | 17,000円 |
| 3,000万円以下 | 23,000円 |
| 5,000万円以下 | 29,000円 |
| 1億円以下 | 43,000円 |
さらに、遺言公正証書には加算規定があります。全体の財産価額が1億円以下の場合は、上記に11,000円が加算されます。
財産の整理から文案づくり、証人の手配まで、私たちが一通りサポートします。「どこから手をつけるか」で止まっている方こそ、一度ご相談ください。
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遺言の作成だけでなく、その後の相続手続きや不動産の処分まで見据えて準備しておくと、遺された家族の負担が大きく減ります。
換価分割(不動産を売って現金で分ける方法)や空き家の特例など、相続では遺言と不動産がセットで絡む場面が多くあります。私の実務でも、遺言を作る段階で不動産の方針まで決めておいたケースは、後の手続きが圧倒的にスムーズでした。
相続と不動産のことは、専門特化した事務所にまとめて相談するのが結局は近道です。まずは気軽にご相談ください。
