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公証役場での遺言手続きを徹底解説|作成の流れと当日の注意点

村田 誠一 / 更新:2026-06-20
「公証役場で遺言を作りたいけれど、何から手をつければいいのか分からない」——相談に来られる方の多くが、最初にこの壁でつまずきます。結論を先に言うと、公正証書遺言の手続きは『原案づくり→必要書類の準備→公証役場へ予約→公証人との事前打ち合わせ→作成当日』の5ステップで進みます。書類さえ揃えば、当日は30分前後で終わることも珍しくありません。
  • 公正証書遺言は遺言者が内容を口授し、公証人が作成する方式で、証人2人以上の立会いが必要です。
  • 手続きは原案作成・書類準備・予約・事前協議・当日作成の5段階で進みます。
  • 作成当日は遺言者・証人2名・公証人の前で内容を確認し、全員が署名押印して完成します。
  • 完成した遺言の原本は公証役場に保管され、遺言者は正本と謄本の交付を受けます。
  • 公正証書遺言は家庭裁判所の検認が不要で、相続手続きへすぐ進めます。

公証役場 遺言 手続きの結論

公正証書遺言の作成現場を見よう!遺言書を早く確実に作る
公正証書遺言の作成現場を見よう!遺言書を早く確実に作る

公証役場での遺言手続きとは、遺言者が公証人に遺言内容を口授し、公証人が公正証書として遺言書を作成する一連の流れのことです。

日本公証人連合会によると、公正証書遺言の作成には遺言者本人と、証人2人以上の立会いが必要です。

私が実務で関わってきた限り、最も時間がかかるのは当日ではなく『原案づくり』と『書類集め』です。ここを丁寧にやれば、当日の手続き自体はあっけないほど早く終わります。

公正証書遺言は家庭裁判所の検認が不要です。残された家族が、遺言の内容にもとづく相続手続きへすぐ進めるのが最大の利点です。

公正証書遺言の作り方とは

公正証書遺言は、遺言者が公証人に内容を口授し、公証人がそれを文章にまとめて作成する遺言です。

自分で全文を書く自筆証書遺言と違い、文章は公証人が法律的に整えてくれます。書き間違いで無効になるリスクが低いのが、行政書士として私が公正証書をすすめる一番の理由です。

必要な書類は、何を誰に渡すかで変わります。前述の日本公証人連合会の案内をもとに、最低限そろえるものを表にまとめました。

公正証書遺言の作成に必要な主な書類
出典:日本公証人連合会。財産の内容により追加書類が出る場合があります。
対象必要な書類の例
遺言者本人本人確認資料(印鑑証明書など)
相続人遺言者との続柄が分かる戸籍謄本
相続人以外の受遺者住所が分かる資料(住民票など)
不動産がある場合固定資産税納税通知書または固定資産評価証明書、登記事項証明書
証人2名住所・氏名・生年月日が分かる資料(運転免許証のコピーなど)

証人について補足します。日本公証人連合会は、証人2名について『運転免許証のコピーなど住所・氏名・生年月日が分かる資料』を案内しています。

つまずきやすいのが証人の人選です。推定相続人やその配偶者・直系血族は証人になれません。身近な人を頼みづらいときは、公証役場や専門家に証人手配を依頼できます。

公正証書遺言を作成する流れ

公正証書遺言の手続きは、原案作成→必要書類準備→公証役場へ予約→公証人との事前協議→当日作成、の順で進みます。

所要期間の目安は、書類が揃っていれば2〜3週間ほど。難しい操作はなく、難易度は『高くない』というのが正直なところです。ただし段取りを飛ばすと当日に作り直しになります。

  1. ステップ1:誰に何を遺すかを決め、遺言の原案を作る。財産の一覧を書き出せていれば、ここはクリアです。
  2. ステップ2:戸籍謄本・登記事項証明書など必要書類を集める。役所と法務局で取得します。
  3. ステップ3:最寄りの公証役場に電話で予約する。原案と書類の控えを伝えると話が早いです。
  4. ステップ4:公証人と事前協議を行う。文案の確認や手数料の見積もりが出れば、準備完了です。
  5. ステップ5:作成当日、遺言者・証人2名・公証人の前で内容を確認し、署名押印して完成。

うまくいかないときは、ステップ2でつまずくケースが大半です。戸籍が複数の市区町村にまたがると取り寄せに時間がかかります。早めに着手してください。

公正証書遺言作成日にはどれくらいの時間がかかる?

2025年10月からオンラインで遺言書が作れる!?司法書士が解説するデジタル公正証書遺言の仕組み
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作成当日に公証役場で過ごす時間は、内容がシンプルなら30分前後で終わります。

当日は、遺言者が公証人と証人2名の前で遺言の内容を口頭で述べ、公証人が内容を読み聞かせまたは閲覧させて確認し、最後に遺言者・証人・公証人が署名押印して完成します。

事前協議で文案を固めてあるほど、当日は確認作業が中心になります。逆に当日に内容を考え始めると、何度も中断して長引きます。私はいつも、当日の口授内容を依頼者と前もって練習しておきます。

別室で行われる公証人の口述中は親族でも立ち会えません

遺言作成の場に立ち会えるのは、遺言者本人・公証人・証人2名だけで、推定相続人など親族は同席できません。

理由は単純で、遺言の内容が利害関係者に左右されていないことを担保するためです。証人にも、推定相続人やその配偶者・直系血族はなれません。

実務では、付き添いのご家族には待合スペースで待っていただきます。『一緒に部屋に入れないんですか』と驚かれることが多いので、予約の段階で必ず伝えるようにしています。

公正証書遺言の正本と謄本の違いとは

原本は公証役場に保管され、遺言者には正本と謄本が交付されます。

正本は原本と同じ効力を持つ写しで、相続の各種手続きに使えます。謄本は内容を証明する写しで、保管用・控え用として手元に置く位置づけです。

原本・正本・謄本の役割
出典:名義変更・相続のサイト解説をもとに整理。
種類保管場所主な使い道
原本公証役場公証役場で長期保管される正式な遺言
正本遺言者・受遺者など相続手続きで実際に使う写し
謄本遺言者など内容を証明する控え

公正証書遺言の原本にしか捺印はされない?

公正証書遺言の作り方の流れと費用
公正証書遺言の作り方の流れと費用

署名押印は、公証役場に保管される原本に対して行われ、原本が正式な遺言として効力を持ちます。

正本・謄本は、その原本を写したものです。だから手元の正本に新たな押印をやり直す必要はありません。原本が公証役場にある、という事実が安心材料になります。

『手元の写しに実印を押さなくて大丈夫ですか』とよく聞かれますが、効力の源は公証役場の原本にあります。ここは心配いりません。

完成した公正証書遺言はどこにしまうべきか

原本は公証役場が作成の日から20年以上保管するため、手元では正本・謄本を保管します。

正本・謄本を金庫や貸金庫にしまいきってしまうと、いざという時に家族が取り出せません。私は、保管場所を信頼できる家族か遺言執行者に伝えておくよう必ず助言しています。

万一、手元の正本・謄本を紛失しても、原本は公証役場にあります。再交付を受けられるので、遺言そのものが消えることはありません。

公正証書遺言を作成するための全体的な期間は?

原案づくりから完成までの全体期間は、書類が滞りなく揃えば2〜3週間が一つの目安です。

期間を左右するのは、戸籍や登記事項証明書の取得スピードと、公証人との事前協議の回数です。財産が多い、相続人が多いほど書類が増え、長引きます。

手数料についても触れておきます。AC遺言の解説によると、公正証書遺言の手数料は法律で定められた公証人手数料で、財産を金銭評価し受遺者ごとに算出した額を合算して基本手数料を出します。

公証人手数料の考え方
出典:AC遺言。具体額は財産額で変動するため公証役場での見積もりが必要です。
項目内容
算定の基本遺言で渡す財産を金銭評価する
合算方法相続人・受遺者ごとに手数料額を求め合算する
総額1億円以下の加算算出した基本手数料に1万3,000円を加算する

正直に言うと、手数料の正確な金額は財産構成で大きく変わります。事前協議で見積もりが出るので、その場で確認するのが確実です。

作成後の話も一つ。2024年4月1日から不動産の相続登記が義務化され、取得を知った日から3年以内の申請が必要です。遺言があっても、この期限は別途意識してください。違反すると10万円以下の過料の対象になり得ます。

公正証書遺言の作成なら当事務所へお任せください

公証役場で遺言をつくる場合の、当日の流れは?常滑市のなごみ相続サポートセンター
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原案づくりから証人の手配、公証役場との調整まで、行政書士が一括でサポートできます。

私はこれまで、書類集めの段階で挫折しかけた方を何度も見てきました。戸籍の取り寄せ先が分からない、証人が見つからない——その一つひとつを代わりに片付けます。

遺言は『作って終わり』ではなく、相続発生後に確実に使えてこそ意味があります。だからこそ、保管や執行まで見据えた設計を一緒に考えます。

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遺言作成の先にある相続手続き・不動産売却・空き家対策まで、ワンストップで対応できる体制を整えています。

換価分割で不動産を売って現金で分ける、空き家の特例を使う——こうした場面は、遺言の内容と密接につながります。バラバラの窓口に相談すると、話が噛み合わず時間を浪費しがちです。

まずは気軽にご相談ください。相続と不動産の両方を一度に整理できると、相続人の負担はぐっと軽くなります。

よくある質問

公証役場での遺言手続きについて、相談の現場で特によく受ける質問をまとめました。

よくある質問

公証役場 遺言 手続きとは?
遺言者が公証人に遺言内容を口授し、公証人が公正証書として遺言書を作成する手続きです。証人2人以上の立会いが必要で、完成した原本は公証役場に保管されます。家庭裁判所の検認は不要です。
公証役場 遺言 手続きの費用は?
法律で定められた公証人手数料がかかります。遺言で渡す財産を金銭評価し、相続人・受遺者ごとに算出した額を合算して基本手数料を出します。財産の総額が1億円以下の場合は、算出した基本手数料に1万3,000円が加算されます。正確な額は財産構成で変わるため、事前協議で見積もりを確認してください。
公証役場 遺言 手続きの始め方は?
まず誰に何を遺すかを決めて原案を作り、戸籍謄本や登記事項証明書などの必要書類を集めます。次に最寄りの公証役場へ電話で予約し、公証人と事前協議をしたうえで、作成当日に証人2名の立会いのもとで署名押印して完成させます。

次の一歩は、財産の一覧を1枚の紙に書き出すことです。これさえあれば、原案づくりも書類集めも一気に進みます。迷ったら、書き出した紙を持って相談に来てください。

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村田 誠一

行政書士(相続・遺言専門) ・ 公正証書遺言の作成サポート実務経験あり
行政書士歴12年

行政書士として相続・遺言業務に長年携わり、公証役場との実務連携を通じて得た一次情報をもとに、読者が実際に動けるよう具体的な手順と費用を丁寧に解説します。

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